人事評価の中で大変重要なアイテムは評価に関わる間違い(エラー)です。当社は、導入初期には定期的に、1年を経過する頃にはご要望に応じて教育を行います。
評価エラーとその対策
中心化傾向
適切なメリハリを付けられずに、標準(真ん中)に評価が集まること。
主な原因
・自身の評価に自信がない
・部下の能力や行動を的確に把握していない
・評価に差を付けることで部下から嫌われたくないと考えている
・評価基準が曖昧であり、評価がしにくいなど
主な対策
・自信のない評価については上位評価者と相談し、進めていく
・日頃から部下と面談を行い、部下の行動事実を観察する
・評価基準を4段階もしくは6段階にし、中心をなくす
・評価項目や基準を分かりやすくする
分散化(極端化)傾向
少しの差を必要以上に大きくして、最高あるいは最低の評価に偏ること。
主な原因
・中心化傾向を意識し過ぎる(評価に差を付けなければならないという意識)
・部下の能力や行動を的確に把握していない
・評価に差を付けることで、部下のやる気を引き出そうと考えている
主な対策
・評価項目や基準を正しく理解するために、評価者間での擦り合せを行う
・日頃から部下と面談を行い、部下の行動事実を観察する
・感情ではなく、観察した事実を根拠に評価する
・評価基準をしっかりと理解する など
対比誤差
決められた基準ではなく、自分自身や誰かを基準にして評価をすること
特に自分を基準にして評価することを指すことが多い。
主な原因
・自分に対しての過剰な自信(過剰なコンプレックス)がある
・日頃から十分な行動事実を観察していない
・評価基準を理解していない
・評価基準が曖昧であり現場に即していない
主な対策
・自分と人は違うということを認識する
・対象者の等級に求められる評価基準を理解する
・実態を踏まえて、評価基準を見直す
・日頃から部下と面談を行い、部下の行動事実を観察する
ハロー効果
対象者の顕著な特徴(良い面、悪い面)に引きずられて、その他の項目について評価が歪められてしまうこと。
主な原因
・ひとつひとつの評価項目に対して判断をしていない
(早く評価を終わらせてしまいたい、評価基準を理解していないなど)
・部下の行動の一面しか見ていない
主な対策
・ひとつひとつの評価項目に対して、しっかりと吟味して判断する
・評価項目ごとに被評価者間の評価が適切であるかという視点で検証してみる
・実態を踏まえて、評価基準を見直す
・部下を多面的に観察して、より多くの行動事実を収集する など